違国日記5巻以降のお気に入りシーンです。
前回に引き続き。
(想像より多くて年が明けてしまった…あけましておめでとうございます🐉)
【5巻】
・朝が実里(母)の日記を読むシーン
実里(母)は生前毎日日記を書き、朝が、20歳になったころ渡そうと考えていたのでした。
槙生が発見したその日記を、朝が勝手に読んでしまいます。
実里の日記の内容
"あなたがあなたを好きでいられる人であれば
それで十分だと思います
朝 お母さんはあなたが大好きです"
……号泣!!!
母親は偉大だよね。これまで嫌なイメージだった実里も5巻で自分への厳しさや固定観念との葛藤があったことが分かります。
【6巻】
・朝の詩を槙生が添削するシーン
ラストで分かるのですが、このマンガでは朝の振り返りの言葉がちょこちょこ登場します。
槙生は人と交わることが怖いスタンスの人間なので、朝と喋るとき丁寧に難しい言葉を使います。
そこでの朝の所感。
"彼女はたびたびわたしの知らない
まるで違う国の言葉で話したので
私にはその言葉を留めておくことが
できなかった
誰でもがまるで違う国の言葉で
話していると気づいたのは
もっとずっとあとだった"
このシーンの絵がすきです。
同じ日本語のはずなのに、他のコマの絵が違う国の言語で吐き出されてます。
あと好きな絵でいうと同巻の、来客日コマ割りページ。日常がごろついてる居心地のよさ。
・巻末、違う国で話している槙生の言葉
朝のそんな考えすぎててしんどくない?という問いに対して、
「かもね でも
せっかくなら苦しんで生きたいでしょ」
槙生は、無知が一番悪いことだと思っているようです。
・樹乃さん(槙生の友人・漫画家)への宣言
来客の樹乃さんにチビ呼ばわりされたときの朝の発言です。
「やだっなりたい自分になりたいの」
この言葉&絵だけで片ページが使われています。
この言葉と関連して、えみり(朝の友人)の内情にも近づきだすのです。
えみりの心のうちの静寂が海で描かれているのもこの辺から。
朝は孤独の心情表現は、砂漠なんですよ。
・そんなえみりの人間らしさに迫ったエピソードが、朝の両親が亡くなったことを知った時の感情。
「『もう絶対友達やめられないじゃん』って思っちゃった
やめるつもりもなかったんだけど
でも思っちゃった」
残酷なリアル。そんな素直さにも惹かれちゃう。
【7巻】
・塔野(槙生・朝の弁護士)と笠町のランチシーン
平日にばったり遭遇してランチする二人。
笠町、槙生とも平日にランチしてるんですよね…そんな自由な社会人あるか?会社に縛られない平日いいなぁ。私もやりたい。
塔野から笠町への言葉
「泰然自然としてますよね」
こちらもまた、意味がわからなくて調べました単語です。
泰然自若とは、
何事が起こっても落ち着き払って、少しも動じないさま。(goo辞書 引用)
この四字熟語かっこよくて好きです!!!
そのあとの笠町コメントもいいんですよね〜
笠町は長いこと優等生(男というジェンダーの中の)をやってきたタチで、そこから降りることを決めた人間です。
「そこから降りて 逃げて
やっと人間になれて初めて余裕が出た
ってとこかな」
笠町の苦労が伺えるし、経験は様々だと思うけどやっと人間になれたって感覚のある人は一定数いるんじゃないかなぁ。
・千世(朝の友人)と朝の電車での会話
千世は医者を目指す高校主席入学の子。
朝と悩みの大小を話しているときの「貴賤はない?ほんとかな…」、この貴賤という単語もお気に入り。千世ちゃんは本当賢い感じで、追いかけて遠くに行きたくなる。
こっから朝がコンコースで歌うまでのシーン、好きなセリフが多いのでざっと載せちゃおう。
◯朝の語り
"わたしたちには どんなにくだらないことでも
生きているかぎり 悩む権利があった"
◯槙生のセリフ、人を変えることはできない趣旨の話の後
「ま でも
そうわかっていてなおすることが
尊いんだとも思うよ」
◯コンコースで歌っている時の朝の思い
"10年後でいい 誰かこの中の ひとりでも
一瞬でも…"
朝の行動は千世ちゃんに届きましたし、数年後の話題になっています。
朝は少しでも、世界を変えたのですね。
またまた長いレポートになってしまった。
後半はさらに好きなシーンが多い気がしてます。次は8巻以降を!